Tabler について  バージョン: 0.9.1b 発行日: 1996年 6月 24日 修正日: 1996年 11月 2日 発行者: 六角 文雄 rokkaku@inetc.roland.co.jp PXL01437@niftyserve.or.jp http://www.inetc.roland.co.jp/~rokkaku/ (このドキュメントは日本語版 SimpleText と細明朝体でお読みください) 1. Tabler とは? Tabler は HTML 形式のテーブル・タグを作るユーティリティーです。クリップボードにコピーしたテキストをテーブル・タグに加工しますので、ペーストするだけで変換終了です。 デーブルを作るユーティリティーは沢山ありますが、Tabler の用途としては、表計算ソフトのシートを HTML に簡単に取り込むことを想定しています。凝ったページ・レイアウト作成用には不向きです。 変換のルールは単純です。 タブまたはコンマで区切られたテキストを一つのセルとみなしてタグを入れていきます。こんな具合です。 変換前のテキスト: Table, Column 1, Column 2, Column 3 Row 1, Cell 1, Cell 2, Cell 3 Row 2, Cell 4, Cell 5, Cell 6 Row 3, Cell 7, Cell 8, Cell 9 変換後のテキスト:
TableColumn 1Column 2Column 3
Row 1Cell 1Cell 2Cell 3
Row 2Cell 4Cell 5Cell 6
Row 3Cell 7Cell 8Cell 9
HTML ブラウザーではこのように見えるはずです。 FIg. 1   ボーダー・サイズなどは指定しません。後からお好きなように書き加えてください。 2. Tabler のパッケージ構成 Tabler にはアプリケーションの Tabler.App と FKEY の Tabler.FKEY の二つのバージョンがあります。お好みに応じてお使いください。 また、ソース・コード一式も含まれています。力ずくの汚いコードですが、興味のある方はご覧下さい。 3. Tabler.App の使い方  3.1. ダブル・クリック Tabler.App ダブル・クリックして起動すると、クリップボード中のテキストをタグ形式に変換します。テキスト以外のデータには手を加えません。 例えば、Excel などの表計算ソフトのデータを HTML のテーブルにしたいとき、シートの中の変換したい範囲を選んでコピーし、Tabler.App を起動し、テキスト・エディターでペーストすれば HTML テーブルのできあがりです。 3.2. テキスト・ファイルのドラッグ・アンド・ドロップ 変換したいテキスト・ファイルを Tabler.App のアイコンの上にドラッグ・アンド・ドロップすると、ファイルの中身を読み込んで変換し、クリップボードに放り込みます。ファイル中の全てのテキストを変換の対象にしますのでご注意下さい。 3.3. クリッピング・ファイルのドラッグ・アンド・ドロップ テキストエディターの中には、テキストのドラッグ・アンド・ドロップが可能なものがあります。選択したテキストをドラッグしてファインダーにドラッグするとクリッピング・ファイルができます。 このクリッピンファイルを Tabler.App にドラッグ・アンド・ドロップすると、中のデータを変換してクリップボードに格納します。 MacOS のバージョンが System 7 Pro (7.1.1) 以上で、Macintosh Drag and Drop と Clipping Extension がインストールされている環境が必要です。 4. Tabler.FKEY の使い方  4.1. FKEY とは? 古くからの Macintosh ユーザーでないと FKEY 自体を知らないかも知れませんね。簡単に言えば、コマンド+シフト+数字キーで呼び出されて仕事をする特殊なコード・リソースです。Tabler.FKEY は7番に数字番号を割り付けてあります。後で述べる方法により、他の番号に変更する事もできます。 4.2. インストール方法 システム・フォルダーのフォント・フォルダーに Tabler.FKEY を入れます。Finder が「すぐには働かないよ」というような警告のダイアログを出すかも知れませんが、気にせず OK を押します。そして念のためリスタートします。 4.3. 使い方 テキスト・エディターで HTML を編集しているとき、前述の例のような元データを書き、変換したい範囲を選んでクリップボードにコピーします。次にコマンド++シフト+7を押し、Tabler.FKEY にクリップボードのデータ変換を行わせます。ペーストすると変換されたテキストが表われます。スプレッド・シートから HTML に変換するときも、同様にセル範囲を選んでコピーし、Tabler.FEY を呼び出してペートします。 注意: エディターの中にはシステムのクリップボードを使わずに、独自のローカルなクリップボードを使っているものがあるかもしれません。そういうエディターに対しては、Tabler.FKEY は期待される動作を行いません。悪しからずご了承下さい。 4.4. Tabler.FKEY の番号の変更方法 Tabler.FKEY の呼び出し番号を変更するには ResEdit のようなリソース・エディタが必要です。不慣れで自信のない方はベテランの知人に頼みましょう。 やり方は簡単です。ResEdit で Tabler.FKEY を開き、FKEY というタイプのリソースを開きます。そこで見えるリソース ID が呼び出し番号です。Resource メニューの Get Resource Info... あるいはコマンド + I でリソース情報画面を開き、ID を好きな番号に変更します。ただし ID 0 - 3 はシステムが予約済みなので、4 - 9 を選んでください。 5. 変換方法 Tabler は賢いプログラムではありません。力づくでコンマやタブや改行コードをタグに置き換えているだけです。 そのルールとは、データの先頭に , 最後に
, そしてその間の各行に対し、行頭に, コンマやタブ毎に を入れ、行末の改行コードに を入れる、それだけです。 セルの区切りとなる文字は、タブ、コンマ+スペース、コンマ1文字のみのいずれかです。検索・置換は、この順に行われます。タブを発見したら以降タブのみを区切り文字として扱い、コンマは変換の対象にしません。この仕様は、表計算ソフトのセルをテーブルに変換することを想定して決定しました。 日本語2バイト・ コード(いわゆる全角)のコンマやスペースは区切り文字とはみなしません。また、改行コードは Macintosh 標準の CR のみを認識します。LF は放置されます。日本語コードは SJIS のみを正常に扱います。他のコード体系では正常な変換を行わない可能性があります。 6. ソース・コードについて このパッケージには Tabler のソース・コード一式が含まれています。Metrowerks CodeWarrior 10 で制作しました。Tabler を改良・発展させたい方には喜んで委託します。 7. 動作に必要な環境 Tabler.App は 68K アプリケーションです。System 7 以上の環境であれば大抵のマシンで動くでしょう。 実は、それ以上のことは良く調べていません。 Tabler.FEKY は、同じく 68K のコード・リソースです。Tabler.App と同じ環境で動くでしょう。FEKY は、使用中のアプリケーションのメモリを利用するので、大きなデータを扱うときは、アプリケーションに十分な使用可能メモリ容量が必要です。必要量はデータ次第です。 8. 使用条件 Tabler はフリーウェアです。Tabler の著作権は作者に帰属しますが、商業利用でなければ無料で使え、自由に再配布できます。商業利用であっても、問い合わせ頂ければ Tabler の使用・再配布を許諾します。 Tabler は「あるがまま」の状態で配布されます。Tabler を使用して生じたいかなる障害に対しても作者は責任を負いません。 9. 連絡先 下記の住所に電子メイルまたは郵便にてご連絡下さい。 E-Mail Address: rokkaku@inetc.roland.co.jp PXL01437@niftyserve.or.jp 郵便住所: 〒433 静岡県 浜松市 初生町 1158-3-106 六角 文雄 ホーム・ページにもお立ち寄りください。 私の他のフリーウェアもゲットできます。 10. 履歴 Version 0.9.1: 1996年11月2日 微修正による2度目のリリース。 Tabler.FEKYの余分なBNDL関連のリソースを削除 CodeWarriror 10に合わせてプロジェクト・ファイルを変えた Version 0.9: 1996年6月24日 最初のベータ・リリース 11. Copyright Notice Copyright (C) 1996, Fumio Rokkaku, All Rights Reserved.